PUKAPUKA life

海外と三茶で生活する三十路の自由人の日常

【Vol.4】世知辛い、サンフランシスコまでの道。

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【Vol.4】やたら世知辛い。サンフランシスコまでの道。

 

成田空港についた時には、飛行機の出発時間まで2時間をきっていた。何よりも急いでチェックインする。

 

空港には大学の友人たちが見送りに来てくれた。わざわざ来てくれたことに申し訳なく思いながらも嬉しかった。僕ができることは帰ってきてからの土産話くらいのもんだ。あらためて人に話せる良い旅にしようと思った。

 

ギリギリの時間まで友人らと話し、いよいよ別れを告げてザリガニさんと出発ゲートへ。もう搭乗時間も始まっているので荷物検査も早足に。そんな時に限って止められる。空港職員に止められる。

 

空港職員:「すみませんが、靴脱いでください。」

僕:「え、靴ですか?何もないですよ?」

空港職員:「お願いします。」

 

イラッとしたが靴を脱いだ。

 

空港職員:「はい大丈夫です。ありがとうございました。」

 

いや、知ってるわ、なんもないわ。こんなピッタピタのアディダスはスーパースターのスニーカーに一体何を忍びこませられるのか?覚せい剤1グラムとか?臭くなって摂取できなくなるわ。それに今時お巡りさんだって人の荷物を見る時は、「アブナイもん持ってないよねぇ?」くらい言ってくれるのに、空港職員のこの淡々と仕事してくる感じは何なのか。こいつら礼儀ってモンをわかっちゃいねぇ。

 

荷物検査を切り抜け、もはや先ほど友人らと別れを惜しんだ時のセンチメンタルな気持ちさえも冷めかけていた時、横にいたザリガニさんがおもむろにムダ口をたたいた。

 

ザ:「あのさ、おたくの大学のお友達なんで泣いてたんすか?」

 

... 。ザリガニさん、アンタにはわからないんだよ。僕が彼らとのキャンパスライフで共有してきたすてきなサムシングが。冷静すぎて感情が欠落したアンタにはね。

 

ザリガニさんの共感力のなさを残念に思いながら機内に乗り込んだ。ただ、ここでも一つ問題があった。アメリカはサンフランシスコまでの約10時間にわたる長時間フライト、僕とザリガニさんはこれでもかと言うくらい席が離れてしまっている。これでは到着後の予定も立てられたもんじゃない。

 

そういえば、さっき友人のヨシアキが言っていた。飛行機の席って横の人にお願いすればだいたいみんな席代わってくれるよって。帰国子女のあいつの言葉を信じてみることにした。

 

幸い僕の席の通路側の席には日本人のお兄さんが座っていた。ストールなんか首に巻いちゃってなんかスカしてちゃって何のつもりだろう。ちょうどザリガニさんも通路席に座っているようなので、これなら代わりもないし大丈夫でしょ。僕が頼まれたとしてもそれくらいは代わってあげる。

 

僕:「すみません。」

ストール:「はい?」

僕:「友人と乗ってるんですけど席かわってもらえませんか?」

ストール:「すみません。この席選んでとってるんで。」

僕:「一応あちらの席も通路側なんですよ。なんで、」

ストール:「ごめんなさい。」

 

このクソジャップが!!それからこいつとはアメリカにつくまでの10時間一言も話さないことに決めた。

 

遠くにいるザリガニさんへ席はダメだったというサインを送りながら、ヨシアキも次回会ったらひっぱたいてやろうと考えていた。昔っから、帰国子女の言うことだけはマジであてにならない。

 

飛行機は離陸し、いよいよアメリカへと飛び立った感がでてきた。到着後の細かい旅程も組みたかったが、昨夜からの準備の疲れもあり気づけば寝てしまっていた。

 

 

エコノミー席は狭い。エコノミー席は苦行だ。それにはみんな気づいている。そしてみんなその苦を受け入れ、我慢している。ただ、僕の前の席の性格の悪そうなオッサンだけは違った。座席を5割方後ろに倒してビールを飲みながら横の男とガハガハ騒いでいる。これじゃあ僕の席のスクリーンが変な角度を向いてしまって映画もまともに見れない。イラっとしたが我慢した。どうせ寝てればいいやと思った。

 

やがて機内食の時間が来た。食べていると、今度は8割分にして倒してきた。おかげで僕のビーフ弁当がズザザッってなった。僕は体を乗り出してそのオッサンに話しかけた。

 

僕:「狭いんですけどもうちょい考えて座席倒せません? 」

オッサン:「え〜。そんな倒してるかなぁ? 」

 

この酔っ払いめが。どうみたって8割方倒してるだろが。

 

僕:「倒してるから言ってんすよ。」

 

オッサンはムスっとしながら黙って席の角度を先ほどの5割分に戻した。

 

この野郎。ここがアメリカだったら今ごろ撃てれんぞお前?

 

果たしてオッサンが図々しいのか、自分の心が狭いのか。よくわからなかったが、とりあえず僕は一連のことに無駄にイライラしていた。なのでもう、ふて寝した。起きる頃にはもう着いている頃だろう。

 

つづく...

 

 

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