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PUKAPUKA life

海外と三茶で生活する三十路の自由人の日常

【Vol.2】どの国へ行くか?何をするか?を考えるのはすごく楽しい。

世界一周の旅を物語風につづる第二弾は、旅への準備をしている時のお話。 

 

旅は、準備の時から始まっていた。

 

*前回の話はこちら。

pukapuka.hateblo.jp

 

 

【Vol.2】どの国へ行くか?何をするか?を考えるのは楽しい


旅に出ると決めたはいいものの、何を準備したらいいかイマイチよくわからなかった。
 
手始めに世界一周航空券について詳細を把握し、行く国やそのルートを決めることにした。
 
ネットで見るかぎり、世界一周航空券にはいくつか種類があった。移動距離(マイレージ)の上限で周遊ルートを決めるもの、通過可能な大陸数でルートを決めるもの。価格帯も何段階かに分かれていて、やはり滞在国が増えれば増えるほど金額は高くなる。とにかく細かいルールと制約が多すぎたので、僕らの脳みそでは仕組みを理解することができず、2時間ほどで飽きてしまっていた。
 
ザリガニさんはもはや思考さえも逸脱していらっしゃったようで、アメリカに行ったらプレステのグランドセフトオートに出てくるような路上のホットドック屋さんでいかに自分が本物のホットドッグを貪りたいかを熱弁していた。
 
あぁ、あの車で突っ込んで吹っとばせるヤツね。
 


埒があかないので、とりあえず世界一周航空券を取り扱う新宿のJTBのカウンターへ行って聞いちまえってことで2人で訪ねてみた。
 
その支店はガラガラだったが、あまり世界一周航空券という商品を扱う機会がないんだろうか。しばらく待たされることとなった。やがて色白で顔色の悪いガチムチお兄さんが担当についた。昨日飲みすぎで寝てないのか、筋トレとプロテインのことばっかり考えてしまって仕事に身が入らないのかわからないが、まるで仮そめの世界に堕とされたかのようにボーッとしていた。挨拶をしただけでやる気がないのが伝わってきたので、憎しみとわずかの親しみを込めてガチホワイト(以下、GW)と名付けることにした。

 

2人:「こんちわっす。世界一周航空券について知りたいんですけど...。」

GW:「チケットの種類はどっちですか?ワンワールドですか?スターアライアンスですか?」

2人:「どっちが良いんですかね?」

GW:「それは行きたい国によりますよ。どこに行きたいんですか?」

2人:「アメリカ、南米、ヨーロッパ、中東、アジアあたりなんですが、まだ国が決まってないんすよ、どの国がルートに組み込めるかも正しく理解できてるかわからないですし。」
 

ガチホワイトは面倒くさそうにPCのモニター上で世界地図を開いて見せ、ざっくりと通過できる大陸や都市を説明してきた。しかしそれは、インターネットにあった情報以上でも以下でもなくて全く参考にならなかった。僕らの質問の仕方が悪いのかな?よし、聞き方を変えてみよう。
 

2人:「人気な国とかオススメの国とかありますか?他のみなさんが辿るお決まりルート例なんかありますか?」

GW:「うーん。お客様によりますね。」

2人:「な、なるほど...。」


 

こんな質問をした僕らがバカだったんだ。ガチホワイトは世界一周航空券の仕組みは知っているが、世界一周をしたこともなければ諸外国の事情もあまり知らないのだ。そうだよね。だいたい筋トレとプロテインのことしか考えてないもんね。あなたにとってはゴールドジムでのワークアウトが現実世界で、僕らの旅行の話は仮の世界で起きてることだもんね。邪魔してごめんなさい。
 
結局のところ「世界一周航空券についてはネットとガイドブックの情報がすべてである」ということだけしかわからなかった。まぁそんなものだろう。自由度が高い旅だからこそ誰も詳しくアドバイスはできないし、僕らの計画プランも難しくなってくるのだ。どの国に行くか、行った先で何を見るか、無事に生きて楽しめるかどうかは全部僕ら次第。とりあえずひと通り決めてしまって、あとは心の赴くまま自由にカスタマイズしていけばいい。
 
そのあと2人でルートを決めた。事前にエクセルで作成していた"行きたい国リスト"の半分くらいしか行けないということがわかったが、1年という限られた時間で地球を一周しなければならない以上仕方がない。最終的には、周遊ルートは地球を東回りに、地理的に日本からは気軽に行けないアメリカ、メキシコ、イースター島は外さずに、いつか社会人になった時にはいつでもいける東南アジア諸国は切り捨てる。そんな周路を描いて行った。
 
ルートが決まったら、次はエクセルで詳細な予算計画書をつくった。予算はバイトと親からの借金で工面する予定だったが、合わせても100万円が限度であろう。100万円で世界一周をするためには、どの国に何日滞在すれば良いのかを、各国の物価、1日の生活費、観光に必要な経費から算出してしっかりと決めておく必要がある。インターネットの情報だけでは十分でなかったので、本屋で世界一周ガイドブックやバックーパッカー旅行関係の本を買い漁って、行きたい場所や見たいものを洗い出しまくった。
 
あの日ザリガニさんと決めてから、寝ても覚めても世界一周旅行のことを夢中になって考えていた。バイトのやる気も倍増したので、バリバリとシフトをぶっこんでやった。そうそう、このワクワク感を求めていたんだ。好きな女の子とヤれるヤれないかのドキドキ感とか、パチスロで勝つか負けるかのヒリヒリ感なんかとは訳が違う。
 
RPGみたいな冒険が、リアルで体験できる。そう信じて疑わなかった。
 
僕らがこれから経験することに比べたら、もはや就職活動なんてクソみたいなもんだ。みんなせいぜいリクルートスーツを着こなして、電車で痴漢してストレス発散してるような大人たちに媚びでも売ってればいい。僕は世界のカオスをこの目で見に行きたいんだ。世界中のぶっ飛んだヒッピー達と絡みたいんだ。
 
逃げ道のために選んだ妥協案は、いつの間にか、無性に実現したい目標へと変わっていた。
 
 
つづく...

 

 

*次の話はこちら。

pukapuka.hateblo.jp